学部・大学院
研究科長挨拶
令和2年版の厚生労働白書が公表されました.我が国の高齢者人口がピークを迎える2040年を見据え,誰もがより長く,元気で活躍できるように,多様な就労・社会参加の環境整備,健康寿命の延伸,医療・福祉サービスの改革による生産性の向上などの取り組みが必要と述べられています.また,2040年に高齢者となった男性の4割が90歳まで,女性は2割が100歳まで生存すると予想されています.まさに,人生100年時代が到来することが分かってきました.縦断的調査により,高齢者の身体機能が向上し,健康寿命が延伸していると報告されています.しかし,それでも平均寿命と健康寿命の間には男性で約9年,女性で約12年あり(2016年),さらなる健康寿命の延伸が必要です.
本研究科では,健康支援を「中高齢者および障害者の健康生活を保持する活動を支援する術を中心に学び研究する学術領域」と定義しています.2040年を見据え,障がいや心身機能低下を呈する中高齢者に対し,医学的な支援のみではなく,それぞれのライフスタイルに合わせ,地域生活の場で社会参加を含めた健康支援が今後より重要になると考えられます.本研究科では,健康支援に関連する幅広い知識と技術の修得をはかり,地域で指導的役割を果たせる人材(高度専門職業人,研究者)の養成を目指します.
星城大学大学院 研究科長/教授
太田 進
さて大学院では,総合的に研究を学び実施することを通して科学性を修得していきます.研究は,先行研究による既知の情報を広く正しく集め,まだ解明されていない自分の証明したい目的(未知)のために既知の情報を使用した上で,研究デザインを構築し,研究を実施し自分の考え(仮説)を証明していきます.その証明は論理的である必要があります.この研究経験を通して得られた知識と努力は,その後の臨床,地域生活,社会参加を含めた健康支援,研究活動に活かせるものとなるはずです.大学院で学ぶということは,科学的に問題を解決していく能力を身に着けることと思います.
是非,本研究科の扉を叩いてみてください.